芋祭りについて勉強してきました!

11月16日(日)

地元のお宝再発見 在来作物第2弾「芋祭りについて勉強しよう!」を開催しました。
教えてくださったのは、三右衛門新田八幡宮神社総代の皆様。

昔三右衛門新田でたくさん作られていた三右衛門芋。一説にはこの芋が飢饉から三右衛門新田を救ったという言い伝えが残されています。この芋の収穫を祝うために始まったのが「芋祭り」です。
 毎年9月に行われているこの「芋祭り」。今回の講座は、神様にお供えする神饌を実際にみんなで作り、9月でもないのに(笑)神様にお供えさしてもらってお参りしてこようというもの。当日、13人の方たちが参加をしてくださいました。

神饌は、お供え用、お持ち帰り用・試食用と作るので、とにかく大量。三右衛門芋9㎏、こんにゃく10P、はんべが80枚!!こんなに作るの??と思いましたが、今年のお祭りでは、当日神社の清掃をしてくださる方たちにも配るので、倍量を作ったのだとか。しかも総代のみなさん9人だけで!!頭が下がる思いです。

まずは三右衛門芋を洗い、皮を剥いていきます。
現在はナイフの背を使って皮を剥くのだそうですが、昔の様子がわかっていいだろうということで、総代さんがけそんべらという竹のへらを作ってきてくれました。



実際に皮を剥いてみると、これがなかなか具合がいい。里芋の実は鬼皮とよばれるもしゃもしゃした茶色い皮ともう一枚、薄い皮でくるまれています。この薄い皮を残しておくと、うまみが逃げずに調理することができます。けそんべらを使うと、この薄皮を剥くことなく皮むきすることができます。



三右衛門芋は焼津のカツオ船に多く買われ、船の上で食べられていたからか、皮を剥いた状態で売られていたのだそうです。もしかすると薄皮を残した状態ならば、持ちもよかったのでは。そんなことを考えると、けそんべらってすごいなあと思います。そうそう、大井川の方が、「うちの方でもけそんべらを使っていたよ」と教えてくれました。

みんなでおしゃべりしながらの楽しい作業ですが、大量の芋にちょっと苦戦。戦前は、最盛期に売りに出す里芋で市場が白くなったと農家さんがおっしゃっていました。農作業を終えて芋を剥いて。当時の方の苦労はいかほどだったでしょう。

さてさてやっと下準備を終え、実際に芋煮を作っていきます。
総代さんから予めレシピをもらっていたのですが、これが緻密なもので。さぞかし気を使っていらっしゃるんだろうと思ったら・・・。実はいつも「適当!」なんだそうで、大きな鍋に入った里芋とだし汁の中に「ううん、こんなもんかなあ」と砂糖やら酒やらお醤油やらがざらざらと入れられていきます。



総代さんが角を突き合わせてあれが多い、これが少ないと大騒ぎ。



何度も味見のコップが回ってきます。



これがまた楽しくて!!参加者一同大笑い!でも、さすがですね。最後にはばっちり味が決まって、おいしいお芋が炊き上がりました。
芋を串に刺していきます。



花鰹をぱらりとふりかけて出来上がり。これが神饌。



この串に刺さったお芋にちなんで、芋祭りを「芋串祭り」ともいうんだそうです。参加者からは「今年は9月と今日と2度もお供えをしたから、さぞかし神様も幸福を持ってきてくれるだろうね」の声。またまたみんなで大笑いです。

神殿に移動し、



お神酒とお塩とお洗米と芋串をお供え。



みんなで2礼2拍手1礼すると、なんだかとてもありがたい気持ちになります。三右衛門新田で暮らしていたご先祖様たちも、同じように神様に手を合わせて収穫を感謝したのでしょう。里芋を大切にしている地元の方たちの思いをおすそ分けしていただいた気分です。貴重な芋祭りを垣間見ることができました。

最後はみんなで直会です。




芋煮のおいしさに、みなさんびっくりされていました。里芋に適した三右衛門新田だからこそ、おいしい里芋が作られるのでしょうね。残りはみんなでお持ち帰り。この風習も素敵ですね。家族みんなでこの芋煮を食べるからこそ、おいしさも倍増するのでしょう。




 地元の人たちが大切に守っている三右衛門新田の芋祭り。三右衛門芋と一緒に後世に伝えていってほしいお祭りです。
  


2014年11月23日 Posted by つる屋 at 01:35Comments(0)つる屋イベント料理教室在来作物